
中国の伝統行事:春節
2009-5-20 17:04 | クリック数: (131) | コメント・口コミ数: (4)
中国の伝統行事:春節
さて、中国では旧暦の元日を春節(春の節)と書いて、さまざまな伝統的な行事が行われたりします。日本では、旧正月と呼ばれていますけれども、明治時代に太陽暦を導入するまでは旧暦が使われていたんですよね。現在でも二十四節気などを四季折々の変化を表すものとして話題に上るということは聞いたことがあるんですけど、それではこの春節の際にどのような行事が行われるのか、時間を追って説明いたしたいと思います。
腊八粥
旧暦の十二月八日には「腊八粥」と呼ばれるお粥を食べます。「腊」というのはもともとは古代十二月に行われた祭りの一種をそう呼びましたけれども、現在では旧暦の十二月のことを「腊月」と読んでいます。「八」は八で、ですから十二月八日に食べるお粥という意味になります。このお粥にはさまざまな穀物が入っておりまして米や粟、もち米、高粱などのほか、落花生、棗、小豆、胡桃などを入れるところもありますし、栗や蓮の実を入れるところもあるそうです。これだけたくさんの穀物を使うことで一年の豊作を祝うという意味もあるそうです。が、もともとはお釈迦様の成道日、つまり悟りを開いたのを記念してお寺で作られたものが起源だそうです。
「灶糖」:「灶王爷」を祭る時に使う飴
日本では「もういくつ寝るとお正月」という歌があるそうですけれども、中国で春節に向けての本格的な準備が始まるのは旧暦の十二月二十三日からです。この日は竈の神様「灶王爷」を祭って飴のようになった麦芽糖をお供え物として祭ります。これはかまどの神様の口をそのべたべたする飴で塞ぎ、天に帰って地上のことを報告するときにいいことだけを口にしてもらえるように、という意味があるのだそうです。その竈の神様といいますと、古代の人々の火に対する崇拝から生まれたものといわれていますが、伝説では黄帝、炎帝、祝融などはすべて竈の神様とみなされておりました。
各地で祭られている神様について
この神様、地方によって姿や家族構成が微妙に違っておりまして、黄河の北の地方では神棚に祭られている人数が増加、おばあさんや子供が登場するそうです。この子供は手にそれぞれ「善」「悪」と書かれたちいさな缶をかかえており、その前には犬と鶏も登場したりもしています。これらの動物は、神様が休むときに深夜と明け方に交代で見張りをさせるためなんですね。
河南省にはこの日に竈を祭る風習が生まれるきっかけとなったある物語が民話として残されています。はるか昔、ある夫婦に一人息子がおりました。二人はこの息子を大変かわいがっておりましたが、うちが貧しく家計が苦しくなったため、泣く泣くこの息子を炭鉱に働きに出したのだそうです。息子が出稼ぎに出てしばらく経ちますと夫婦は息子に会いたくてたまらなりました。そこで、父親がこの炭鉱に息子の様子を見るために出かけました。父親は炭鉱に向かう途中、ある裸足の男と出会いました。向かう先が同じらしいということですっかり意気投合した父親でしたが、この男の話を聞いてビックリ、なんとこの男は閻魔大王の使者で、炭鉱から地獄に百人の男を連れて帰るように、と命を受けていたのです。これを知った父親はこの男にどうか自分の息子だけは助けてもらえないかと頼み込みました。男は、このことを誰にも話さないことを条件に聞き入れました。父親は炭鉱に着くと病気のふりをして息子に看病させ、炭鉱に行かせないようにしていました。すると、間もなく炭鉱で事故が起こり、父親は息子を連れて家に帰りました。あっという間に三年がたちました。年も暮れの二十三日の夜、この父親は当時のことをふと思い出し、黙っていられずに母親に話してしまいました。ところがそれを同時に竈の神にも聞かれてしまい、その夜竈の神は天の玉帝にこのことを報告し、起こった帝は裸足の男を罰し、この息子も連れ去ってしまいました。そのため、人々は毎年二十三日に人々は飴を竈の神にささげ、人間をこれ以上弄ばないようにとお願いしました。それがやがて現在の形になったのだそうです。
お正月のためのいろいろな準備
その後、二十四日は部屋を掃除して、二十五日に黍などの雑穀をひいて粉にし、二十六日には肉を買ってきて、二十九日にマントーを蒸してというような順序で新年の準備が進められていきます。スーパーなどが普及して生活が便利になるにつれて、このような伝統的な風習も都市部ではすっかりなくなってしまいましたけれども、今でも地方では目にすることができます。また、各地方によって風習もかなり違っていますので、興味のある方は中国の各地のお正月を体験なさってみるのも面白いかと思います。
春節の時の飾り物
さて、この二十三日から二十九日までの行事は省略されることも多くなりましたが、十二月三十日、旧暦の大晦日の行事は今でも全国でほぼ忠実に行われています。日本でもお正月飾りや門松といったものを家の中、外に飾りますけれども、中国でもさまざまな飾り物をします。
その一つが「春聯」と呼ばれるもので、一対の縁起のよい言葉を二枚に書き分けて家の玄関の両側に貼ります。古代は桃の木の板に神様の名前を書いて玄関の両脇に掛けていたそうですけれども、964年、日本の平安時代の頃に当時の皇帝が、この木の板に新年を迎える喜びと自らの安泰を祝う句をしたためたことから、現在のような形になったといわれています。現在では新年を祝う言葉のほか、豊作や事業の成功、健康や家庭の円満などを祈る言葉が書かれています。
このほか、家の門には「福」の文字が貼られます。皆様もご覧になったことがあるかもしれませんが、この福という文字は逆さまに貼られています。これは逆さまだということを表す「倒」(倒れる、ですね)と来る、いうことを表す「到」(到着する、到達する)の発音が同じことから、福が逆さまになることによって福が来る、福が我が家にやってくるということを表しているそうです。中国語にはこうした掛詞を使った縁起のよい表現がほかにもたくさんありまして、魚を食べるときは「年年有余」(毎年蓄えが残るように)ですとか、お皿が割れたら「歳歳平安」(毎年平穏無事に暮らせますように)ですとか口にしますが、どんなことでもいい方向に考えてしまうプラス思考な一面がこの正月に凝縮されているといってもかまわないと思います。
さて、話を貼るものに戻しますと、もう一つ「年画」というものを貼ります。これもまた新年を祝うめでたいものとして独自の発展を遂げてきたものの一つです。漢の時代に生まれて唐から宋の時代を経て魔除けとして貼られていたものが清朝の末期に現在のような縁起物として貼る形に落ち着いたといわれています。有名な絵柄では子供や牛、神話や伝説などを表したものがありますけれども、この年画として毛沢東主席を飾るところもあります。縁起のよさではほかの図柄にも負けないと信じられているんですね。
「団円飯」の準備
さて、こうした新年を迎える準備が終わりますと、「団円飯」(一家団欒の食事)の準備が始まります。昔はこの「団円飯」は一年中でもっとも豪勢な食事だといわれていました。食卓には縁起のいい食べ物が並びますけれども、中でも魚の料理は欠かすことができません。家庭が裕福になって年々余りがあるようにということで余りと韻を踏んでいる魚を一家で食べるわけです。
大晦日の夜
さて、日本では大晦日のとき晩御飯を食べてからどんなことをするのでしょうか。やはりテレビを見ながら過ごして、除夜の鐘を聞きながら年越しそばを食べて、静寂の中に響き渡る鐘の音にこの一年の出来事を振り返ったり心改まったりする、そのような時間を過ごされる方が多いのではないでしょうか。ところが、ここ中国では大晦日の夜が一年でもっともにぎやかな夜でして、「春節の夕べ」というテレビ番組を見ながら餃子を作り始めますと、外のほうから地鳴りのような爆竹の音が聞こえてきます。ちょうど午後九時ごろですね。そして、除夜の鐘を聞くときに年越しの餃子を食べます。地方によっては饂飩や「汤圆」と呼ばれる団子を食べるところもあるそうです。その後、爆竹を鳴らすということになるわけですけれども、北京などの大都市では安全のために禁止されるようになりました。まあ、それでも爆竹の音だけはスピーカーなどで流されていますけれども。一方、大連ではまったく逆の政策を採っています。「春節に爆竹をやりたかったら大連へ」とまではいきませんが、少なくとも子供たちがやるときは大人が監督するとか一部過激な爆竹の販売を禁止したりしていますけれども、基本的に爆竹を鳴らすことは市民の自由に任せていますし、春節の二日目から行われる「新春花火爆竹迎春大会」はいまや新年の風物詩として大連のみならず、国内外にも知られています。寒風吹きすさぶ中、たくさんの市民や観光客の方々がアツアツの料理を手に、次々と打ち上げられる一瞬の芸術に歓声を上げる、それが最高だ!というわけですね。もちろん慣れない方は「星海展示センター」が一般開放されますので、そちらで観賞することもできます。が、慣れた方なら広場で目だけでなく耳や肌で強烈な大連の春節のエネルギーを体感していただけると思います。
「過年好」(新年明けましておめでとうございます)
話を元に戻しますと、年を越して、先ず初めにすることは何だと思いますか。そう、新年の挨拶ですね。日本とは違って、隣近所や友達同士など夜も開けきらないうちから新年の挨拶が始まります。「過年好」(新年明けましておめでとうございます)という挨拶のほかに「今年もいい年でありますように」とか、丈夫な体で、仕事も順調で、など、それからその年の干支にちなんだ、縁起のよい言葉が飛び交います。遠く離れている友達は電話で挨拶をすることになります。そのため十二時を過ぎると家の人は電話の応対に追われ、若者たちは携帯電話でおしゃべりする、という家の中が大変にぎやかな状態になります。加えて、最近では携帯電話のショートメッセージ(短信)が爆発的に普及したため、新年を迎えた瞬間に中国全体で何億件ものメッセージが一斉に飛び交い、その結果電話会社の回線がパンクしてしまったという年もありました。
お年玉
さて、子供にとって楽しみなことの一つにお年玉がありますね。中国都市部の子供がもらうお年玉の平均が730元という数字がありましたが、実際には各家庭によってまちまちなようです。さて、こうしたお祭り気分が正月15日の「元宵節」まで続くことになりますけれども、数千年も昔から今に至るまで脈々と受け継がれてきたこのような風習はこれからも形が変わるかもしれませんが、中国の人々になくてはならないものとしていつまでも続いていくのではないでしょうか。外国のお客様にもぜひご覧になっていただきたいと思います。
以上、中国の伝統行事、春節について簡単にご説明しました。
「中国の伝統行事:春節」で中国語を学びましょう
穀物 谷物
高粱 高粱
落花生 花生米
棗 枣
小豆 红豆
胡桃 核桃
栗 栗子
蓮 莲
麦芽糖 麦芽糖
お供え物 供品
塞ぐ 堵
黍 黍子
パンク(puncture) 撑破
まちまち 各不相同
脈々 连续不断





勉強になりました!